私が音楽家を目指し将来を夢見て朝から晩までフルートを吹いていた頃の出来事。
1963年ニューヨーク・フィルハーモニックの名フルーティスト:ジュリアスベーカー(1917-2003)が初来日した。まだ白黒だった時代のテレビ(NHK=高橋圭三の「私の秘密」と教育テレビでリサイタルの放映))に出演、私は運良くベーカー氏の演奏を、それもフルートを始めたばかりの時代にテレビで観ることができた。
※ここからちょっと専門的な話:彼のテレビで見たフルート演奏は、B♭キ―よりAisレバーを多く使い、指はほとんど無駄に上下せず、また無駄な動きのない静止状態のような姿勢が印象的だった
そして、来日時に録音されたレコード盤も販売され、当時中学生だった私は直ぐにレコードを手に入れ聴き入りました。彼のフルート演奏は、人間業を超えたもので、もの凄いテクニック(特に低音の切れ味)に只々感心して「自分も、いつかこうなる」という想いをいだかせてくれました。今でもその想いは変わっていないと思います。
さて、初来日のベーカー氏の言葉の中で非常に興味深く心に残っていることがあります。当時、フルートクラブというものがあり、毎月会報が出ていて、その中にベーカー氏に関して、来日中ずーっと付き添っていた方の記事が載っておりました。
記事の内容は、テレビ出演の時“どうらん”というものを顔に塗り映りをきれいに見せるのですが、彼は決して(演奏のため)唇の周りだけは塗らせなかったという話で、更にその化粧をするときも、何をするときも、一時も他人に自分のフルートは渡さず触らせずに持っていたということです。
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ある時、そんな彼が付き人(アマチュアのフルートが吹ける通訳)に吹いてもいいよと言って、彼愛用のフルートを貸してくれたそうです。今まで誰にも指一本触れさせなかったフルートです。恐る恐る付き人は、そのフルートに息を入れた瞬間、信じられない程、彼の楽器はどの音も「反応良く音が出た」と語っていました。
それからベーカー氏は、彼(付き人)にこう尋ねた、「君は、アマチュアかい?アマチュアは良い、アマチュアは本当に音楽を楽しむことが出来る。私(プロ)は時々、それを見失うことがある。それは、何のために音楽をしているのか分からなくなる時だ」と・・・・・
あれほどの巨匠だからこそ重い言葉であり、私が13歳の時にこの記事を読んで何故か深く心に残った。
以来、音楽は本当に人々のために役に立つことができるかが、大学に入ってからも私のテーマになった。脚光と晴れ舞台の後に来るものは何か、その答えを探していたと思う。
その答えこそ、地球上に人間が人間として存在する意味である。
<音波は縦波=直接波で透過率が高い>
量子は波であり粒であり情報であるという量子力学の理論をふまえれば音楽(音)に込められた縦波の情報が伝達されていくものであることを理解できます。
お聴きになる音楽によって気持ちが変わり、抱えていた問題が解決に向かったり体調が良くなるなど、思いが過去に行ったり未来を感じたりするように日頃感じない世界の変化を体感することが出来ます。
私自身、音楽を生業とするひとりとして、また音を出す者の責任として、音楽とグラビトン(重力子)の関係について多くの音楽家の方々にお伝えしたいと思っております。
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